◎風の便り花便り
6月10日
 花しょうぶの美しい季節となりました。
各地のしょうぶ園では見頃の花を愛でる人々で賑わっているとか。
花を愛で心なごむひとときはいいものですね。
そんなむし暑くなってきた梅雨入り前の東京地方ですが、
高山地帯ではまだ残雪が残っていました。
 仕事のからみでちょこっと旅行をして白根山地に立ち寄りましたが、
山あいにはいまだ50〜60センチ位の雪が残っています。
時折、冷たい風が地面に這いつくばるようにして生えているナナカマドや
ミヤマヤナギの木々に容赦なく吹き付けていきます。
 6月でこの冷たい風、冬はどんなに寒かっただろうと思うと
植物の生命力の強さってすごいなと感動。
そして目をこらして眺めると、なんとミヤマヤナギの枝先には
ちいさな白い花穂がちゃんとついているのです。
ネコヤナギのあの白いふんわりとした花穂とは比べようもない程に小さくて貧弱です。
でもちゃんと花穂なのです。えらい! すごい ! って褒めてあげましたよ。
 こんな山の寒い所で強風にもめげずによくぞ生き抜いて花穂までつけてって。

 植物が好きで好きでたまらない私は植物から多くの物事を教えられています。
わがままで好き嫌いが多くて、どうしょうも無い自分だけれど、
植物のけなげさには素直に頭が下がり、そうよね我慢しなくちゃねとか、
耐えなくてはねとか無条件に反省することしきりです。
ただその効果が長続きしないのもまた欠点なのですけれどね。

 もし時間が許されるならまた夏の白根に行きたいな。
短い夏に精一杯の力を込めて咲くコマクサやわたすげの花々に会うために。 


6月3日
 小判草 引けばたやすく 抜けるもの  星野 椿

 梅雨入り前にすでに夏の暑さです。
草木もすでに夏の様相を呈し、街路樹の下草に植えられた真っ盛りのサツキの間に
ヒルガオが淡いピンク色の花を咲かせ、ふと大木を見上げればタイサンボクの
大きな白い花が咲いています。

 スポーツが苦手な私が唯一体を動かすのは散歩。
その散歩を一層楽しいものにしてくれるのが草や木々達との出会い。
今朝は道端に一度は見てみたいと思っていた小判草を見つけました。
時代劇に出て来るあの「小判」に小穂が似ている面白い草です。
何気なく通り過ぎている道端に図鑑で見た草や花を見つけると、
「ほーこんな形をしているの」とワクワクして見とれてしまいます。
 毎日が決して楽しいことばかりではない日常の暮らしのなかで、
「へーこんな花 !だったの」とか「ふーん、うまく名付けたものね」といった感動を
覚えるのはささやかな幸福です。
 このヘ−とかほーといった感動が「アハ体験」と言って脳の活性化には大変によろしいと
「世界で一番受けたい授業」で茂木健一郎先生はおっしゃっておられました。
まあーしょっちゅうささいな事柄にへえ〜、あっらそうーと感動しているわりには、
私の脳はいっこうに活性化しないのですが、、、。

 夏草の仲間達は種類が多くて、まさにほ〜の連発になる季節です。
みなさまもどうぞ足元の草に目を落としてみませんか?
きっと新しいほ〜に出会えると思いますよ。


5月27日
 七時まだ 日の落ちきらず 柿若葉  久保田万太郎

 日毎に入り日が遅くなり、まだ明るいからと仕事を続けていると、
あら! もうすぐ七時と驚く季節になってきました。
時間や時刻の感覚は季節やその時の状況でずいぶんと人の心に影響を与えるようです。

 私が入れ込んでいる小説「博士の愛した数式」が映画化されて、
その美しい映像や演じている俳優さん達がまた素晴らしく素敵、
 友人達に「とっても良いから見て」としきりに勧めていました。
それが早くもテレビで放映されるというので、この時とばかりに「絶対に見てね」と
またまた宣伝しまくったのですが、、、。
友人達の反応はいまひとつ、、、「そんなによかった?」
 そう私も映画館で涙ウルウルで見た時のような感動がすこし薄れているのです。
どうしてだろう? と考えました。
テレビはコマーシャルで映像の流れが寸断されます。
すると感情が一時的にせよ途絶えます。
明るい車や洗剤のコマーシャルの後に、しんみりとした映像は
やはり一種の違和感をおぼえるのでしょう。
 まあースポンサーあっての民放ですから、時間枠内に納めるために
カットされる箇所もあることも、コマーシャルがはいるのもいたしかたないのですが。
小間切れで見るような映画はどこか映画館で見たものとは似て非なるものと化すのだと、
つくづく感じたのです。
 
 梅の実の小さい姿が見え隠れして、梅雨入りを待っているようです。


5月20日
 スコールのような大雨が降ったり、初夏のような強い日射しの日があったりと
近頃の天候は不順ですが、晴れた日の五月はひときわ爽やかです。
 日暮れの時刻も遅くなり、仕事が終わってもまだ日中の余韻が残る頃。
そんな時、私は散歩を兼ねて本屋さんへと行くのが何よりの楽しみです。
実務的な事柄はいたく苦手なのですが、空想の世界にすぐはまってしまう性格の故、
本屋さんは誠に居心地の良い場所。

 さてまたまた面白い本を見つけました。
早速にご紹介したくてワクワクです。
 日本人は昔から判官びいきと言って、志し半ばで倒れたり、負けを覚悟で戦った人達を
ひいきする体質があると言われてきました。
例えば、源義経や楠木正成、坂本竜馬など。
 その坂本竜馬を扱った本です。
 「あやつられた竜馬」加治将一著 祥伝社
竜馬を暗殺した犯人は今のところはっきりしていないそうですが、そこを推理しています。
 フリーメイソンにからめて、明治維新政府で活躍した人達が幕末にどんな動きをしたか
克明に資料を参照しながら著者はじわじわと暗殺犯を絞って行き、その先は止めておきましょう。
 1,900円+消費税をお支払いの上、是非購入して読んで見て下さい。
本の定価以上の価値があること間違いはないと思いますよ。
歴史好きにはたまらない、もしかしたら本当にフリーメイソンは世界の歴史を造っていると思うでしょう。


5月13日
 真夏日のような気温が続く東京地方です。
駅前のドトールなどのお店ではアイスコーヒーを頼む人で賑わっています。
 汗ばむ季節にはアイスコーヒーはとても美味しい。
けれどまた、淡い緑色の新鮮な香りがする新茶の味もまたこの季節ならでは。
 毎年、静岡の親戚宅から早々と新茶が送られて来ます。
忘れないで送って下さる心遣いに感謝しながら、ゆっくりと味わっております。

 お茶農家を描いたドラマが放送されていますね。
『「夫婦道」って面白いわよ。高畑さんがとってもいいから』と
人に勧められて見始めました。
 本当! 確かに高畑さんがいい。何といっても「金八先生」での保健の先生の
聡明なそして優しいイメージはそのままに、明るくて楽しいお母さん役がはまっています。
 ドラマのところどころに描かれるお茶農家の仕事の大変さ、自営業の家族総出の忙しさ、
それらが物を生産することは生半可ではできないとドラマを見ている側に伝わってきます。
 その一方で、今どき自分の親を「お父さんってすごいね」と年頃の娘に言わしめる
自営業の家長は仕事に対する誠心誠意の姿を家族にみせられるという良さも、再認識させられます。
 まあー、自営業であれサラリーマンであれ、誠心誠意働いていない人は別として、
サラリーマンの方はいくら職場で誠心誠意働いていても、家族にはその姿は見えません。

 ドラマはこれから後継者問題など波瀾が続きそうです。
毎朝、お父さんが作ったお茶を家族そろって飲むのが朝のスタートという、
世のお父さん方から見たら夢のようなお茶農家の一家と、しばらくはおつきあいできるのが楽しみです。


5月6日
 刈りたての 蕗をもらふや ひと抱え   岩崎ふかみ

 初夏を思わせる強いひざしの大型連休でした。
各地の行楽地ではたいへんな人出で子供連れの親御さんは、
さぞかしお疲れのことだったでしょう。
 さて町田市にある弊社の作業場のそばにはただ今、野蕗がたくさん生えています。
お店で売っている太くて立派な蕗に比べると見た目は劣りますが、
味の方は清々しい香りで何とも美味しいのです。
それをせっせと刈っているのが昔は企業戦士として経済界で活躍した、
団塊世代のおじさま達。
定年を迎えた段階世代の男の方達が農業に目覚め、日々土と格闘しているのです。
田舎回帰とか定年農業とひとくちに言っても、いざ野菜や果物を収穫するとなると、
都会育ちの方には何から何迄、もう珍しいことだらけのご様子。
 おじさま達は日々、時に収穫に喜び、時には悲惨な出来にがっくりしたりと
実に活き活きとした経験をなさっている由。
 そして農業だけで食べていくことがどんなに大変なことか
きっと初めて実感なさっていることでしょう。

 都会のオフイスで闘ってきた企業戦士の方々が農業に目が行き、
そこから日本の農業が抱えている矛盾点に気がついて、
もう一度力を発揮してくれたらいいなあーと思っています。
 団塊世代とひとくちに言ってもその生き方や価値観はさまざまでしょう。
彼等、彼女等が今迄の経験を生かして、新たな社会を造る礎になっていただけたら、
日本の社会も決して見捨てたものではないと思うのですが、、、。

4月30日
  若楓 一降り降って 日が照って  来山

 木々の緑が目にしみる頃となりました。
青葉、若葉の輝きを見ると「あー生きているって幸せ!」としみじみ思います。
 人の世はとかく苦労がつきものです。
毎日が楽しい事や嬉しい事ばかりでは無いけれど、いやむしろ辛いことの方が
多いかも知れないけれど、木々の青葉、若葉が風に揺れる光景を見ていると、
命の躍動を感じます。
 さて私はこの4月でまたひとつ年をとりました。
一昔前ならば、もうとっくにあの世行きの年齢です。
昔、東北や北陸地方では60才になると姥捨て山に行かされるという
悲しいお話のある年齢なのですから、、、。立派な? 老人の仲間入りです。
 夏目漱石も森鴎外も写真をみると風格のある立派なお顔ですが、
60才以上は生きていらっしゃらないのです。
そう考えると、今の時代を生きている事の有り難さを感ぜざるをえません。
 そんな誕生日に我が社の女性社員達が、ケーキとバラの花束をプレゼントしてくれました。
もう大感激です。
人は何が不幸といって、人に忘れ去られることが一番の不幸とか。
誕生日を覚えていてくれただけでも幸せなのに、電気を消してケーキにロウソクをたてて
盛り上げてくれたのですもの。もう幸せいっぱい。
 人の命は解らないものです。
私は幼少より病弱でとても30才までは生きないだろうと誰でもが思っていたというのに、
この年まで生きています。
学生時代に元気いっぱいだったクラスメートの何人かはすでに鬼籍に入っているというのに、、、。
 おまけの人生、大切に生きなくてはね。
木々の梢を見上げて自分に言い聞かせております。


4月22日
 やわらかいうす緑色の若葉が春風にそよぐ季節となりました。
ここ数日は雨や強風で春風と呼ぶには相応しく無いような冷たさですが、
それでもハナズオウやミツバツツジなどの木々の花々は美しく咲いています。
 
 さて、弊社で建築中の清水が丘の現場近くに小さな小さな神社があります。
瀧神社と言う名前から察せられるように、昔この地域に住んでいた人々が水田のための
水を祈願した神社なのでしょう。
 その小さな神社のすぐ脇に大きな大きなケヤキの樹があります。
樹齢数百年ではと思われるほどの風格があり、四方に幾重にも枝を広げ、
幹はあちこちにこぶがあります。
 しめ縄が結ばれていて、きっとこのケヤキの樹も昔から人々に
大切に守られてきたんだなあーと思うと、よく風雪に耐えてきたねと木肌を撫でたくなります。

 私はこの現場に行くのが楽しみになりました。
大きな樹や大きな石や山が人々の信仰の対象になったのは、きっと人間にはとても叶わない
自然がもつ力に畏敬の念を抱いたからなのではと思うのです。
勝手な解釈ですが、、。
 そんなむかし昔の人々がどんな思いでこの小さな神社に手を合わせ、そしてケヤキの樹を
守ってきたのだろうと想像すると、今を生きている自分の存在がとても不思議な気がしてくるのです。
 もうじき、大型連休が始まります。
遠くに行かなくても身近なところに今迄気がつかなかったスポットが、見つかるかも知れませんね。


4月15日
 昨日の14日は初夏のような汗ばむ陽気、東八道路を散歩する人達もTシャツの腕まくり。
 ところが今日はひんやりとした肌寒さとなり、風邪をひきそうです。
それでも木々は日毎にうす緑色の若葉が増えていき、府中市のイチョウ並木やケヤキ並木の道は
やわらかい葉がそよそよと風に揺れています。

 そんな薄緑色の木々に囲まれた府中市の市立美術館で、
ただいま「動物絵画の100年」が開催されています。
 この展示、素晴らしいのです。
葛飾北斎や円山応挙の本物などは、とても気軽に見るチャンスはそうそうはありません。
それが間近にじっくりと観賞できるのですから、絵画ファンならずとも
一度は見ておきたいこと間違いない!
 私はそれらそうそうたる画家のなかでも伊藤若冲が特にお気に入りです。
大胆な構図に一見さらりと描いたかのような筆使い、それが見事な完成品となっている絵に
魅せられました。

 この美術館が完成された当時はかなり市民の間では批判があった由。
何分にも府中市は箱ものにはお金をかけると言われています。
芸術劇場から市民葬祭場などなど、これでもかと言うように立派な施設が作られて、
他の市の人達からは「府中市はお金持ちなのね」とはよく聞く言葉です。
 けれど生まれた時から府中市民の私は、そのわりには市民の教育や文化度は低いという
他の市の人達の批判が耳に入り、これらの施設に足を運んだ事はほとんどありませんでした。

 けれど、今回は展示物にひかれて友人を誘って思いきって行きました。
やはり、本物は素晴らしいの一言。
併設されているカフェの紅茶も美味しいですよ。
まずは何はともあれ、今週のお薦めです。4月22日迄ですからお早めにね。

 ハナミズキのやさしい色合いの花も開き始めています。


4月8日
 花冷えの冷たい空気に上着を一枚重ね着しました。
春は一新一退をくり返して、やがて本格的な暖かさになるのでしょう。
それでも東八道路の分離帯にはどこからか綿毛が飛んで来て根付いたのか、
たんぽぽの黄色い花がいっぱい咲いて目をなごませてくれています。

 さて近頃、午前11時を過ぎる頃になると、チリン、チリンという鐘の音と共に
一台のリヤカーが東八道路を通ります。
リヤカ−にはたくさんのケースが積まれています。
それを20代前半とおぼしき青年が一生懸命に曳いていきます。
ケースの中身は今人気の天然酵母パン。
彼は焼き立てのほかほかパンを売り歩いているパン屋さん。
 スピーカーで連呼しないのが良いでしょう。
初めは正直、あまり美味しいとは思いませんでした。
けれど、日毎に美味しくなっていって、最近では思わず人にもすすめる程の味になり、
うわっ、成長した!とまるでわが子の成長を見るように嬉しくなってきたのです。
 なにより彼はパンを手渡す時に、とびっきりの笑顔で「ありがとうございます」と言うのです。
ますます嬉しくなるでしょう?
 
 私は物を作る人が好きです。
食べ物でも、家具でも、機械でも、人の手でひとつひとつ作ることは効率が悪いけれど、
そこに作り手の人柄がきっと表れると思うから。
 単価の低いパンを若い人達が一生懸命に作っている。
そしてそれが日毎に美味しくなっていく。
それを売るときのとびっきりの笑顔。
 もうなんだかそれだけで、わくわくしてくる話でしょう?

 若い人達の門出に暖かいそよ風が吹いてくれることを願っています。


4月1日
 満開の桜を見上げて「本当に美しいなあー」としみじみと感じいっております。
春は日本的な美しさが再認識されるのか、雑貨屋さんにも桜模様の布巾や箸置きなどが
並んでいて、見るだけでも楽しくなります。
 そしてこれらの日本的な小物が若い世代に結構受けて、よく売れているようです。
さて日本的というと最近の本や映画でも一昔前の日本の庶民の生活を題材にした作品が
多く目につくように感じます。
 昔の事は若い人には話しても無駄と諦めないで、話してみる価値はあるのだということが
わかりますね。
 なかでも本屋さん大賞を受賞したリリーフランキーさんの「東京タワー」がテレビドラマになり
若者に人気をはくし、更に映画にもなる由。
 東京タワー、そう東京タワーが出来た頃は東京のシンボルとして地方に住む人達にとっては
一度は見たい憧れだったものです。
 主人公のお母さんが東京タワーを見つめる目が何ともその頃の人々の憧れを感じさせます。 
 このドラマ、私もすっかりとはまり、涙ウルウルで見ました。
何でもかなう今の時代と違い、東京に行くのも、学校に行くのも願って願って、
やっと叶えられる時代に育ったそんな時代に生きた人には、主人公の気持ちも、
息子を送りだす母親の気持ちも、共によく理解できるのです。

 時にはうっとうしい程の親の愛情を「うざったい」と言う若者世代の人達が、
この映画に、本に夢中になるとは、人間の本質には変わらない物があるのだなと思います。
 
 この美しい桜の花を来年も見る事ができるかな?と思って見上げている年代の方も
いらっしゃることでしょう。
いろいろな思いを乗せて、桜の花が舞い落ちています。 


3月25日
 「桜はまだかしら?」
会う人ごとに交わされる挨拶がわりの言葉です。
まさに「絶えて桜のなかりせば」の心ですが、待つのも楽しみのひとつですね。

 さて春は別れと出会いの季節、期待や心配の混ざった複雑な心境の方も多い事でしょう。
新学期や新しい職場が楽しく迎えられると良いですね。
私は学校や習い事が大好きです。
勉強が特別に出来たわけではありません。
ただ「先生」と呼べる存在がいることに、何か見守られているという安心感があったのです。
 勿論、みんなが良い先生であったわけではないのですが、あまたいる先生方の中に、
一人でも自分の事を心にかけて下さる先生がいるだけで、ほっとしたものです。
 そしてそんなほっとする先生がどういうわけか、私の苦手な数学や技術の先生方でした。
そんなわけで、今でも少しでも時間的、経済的にわずかなゆとりが見つかると、
何か習いたいなと思います。
 今年の春はフラワーコーデイネイトに挑戦しています。
初回から不器用な私にはかなり苦戦しています。
ところがやはり、苦手な物には素晴らしい先生に出会えると言うジンクスどおり、
明るくて優しい素敵な先生に出会えて、ただいまルンルン気分なのです。

 大人になっても、いくつになっても「先生」と呼ぶ事のできる対象がいることは
とっても幸せ ! 
学生さんや社会人の方も、そしてそれらを卒業した方々にも、この春には素晴らしい出合いが
あるといいなあーと思っています。
 
 満開の桜の樹の下で大空を見上げるのが楽しみです。


3月18日
 暖冬から一転して、底冷えのする日が続いております。
桜の開花予想も修正して、本格的な春の訪づれは少し足踏みをしているようですね。
美しい日本の四季をじっくりと味わうのもまた悪くは無いでしょう。
 さて、新社会人となる方々を指導する会社の係りの方は相変わらず
悪戦苦闘なさっているとか。一時は新社会人を新人類とか呼んで、彼等とのスムースな
意思の交流をなかば諦めていた時代もありました。
特に団塊の世代の子供達が社会人となり、その躾の悪さは戦後の日本の物心共に貧しかった時代の
親の影響だと厳しく批判されました。
 さもありなんと思いつつも、時代のせいにばかりするのもいかがなものかとも思っていたのです。
きちんとしている人はいるのですから・・・と。

 私は月に2回、定期的に通院していますが、その医院はとても混雑しています。
待ち合い室に入り切れずに、入口に立っている人がいるほど。そして患者さんの大半が
高齢者です。人が混雑して待ちくたびれれば、誰もがイライラしてきます。
ましてや来院している人はみんなが病人、あーまだかと愚痴のひとつも出てくるでしょう。
 ところがこの医院はそのような待人はいないのです。
泣いている赤ちゃんがいればあやしてあげたり、時には見知らぬ人が
季節の話題などを交わしています。

診察を終わった患者さんが出てきました。
待ち合い室にいる人々に深々と頭を下げて言いました。
「お先に失礼しました」と。
誰とも無く「いいえ」と会釈をしています。
 ここの医院に来る人は「お互いさま」ということをみんなが知っている人達なのでしょう。
かつては日本人のみんなが持っていた言葉「お互いさま」。
 美しい言葉でしょう。
「お先に」とひとこと言うだけで、「いいえ、待っているのはお互いさまよ」と
その場が少しは和むのです。
 新社会人にお説教する前にまずは「お先に」「お互いさま」と会釈できる先輩になりましょうよ。
かなり人生に年季の入った私からの提案です。

 今年も桜の花に出会えることを感謝して開花を心楽しみにしております。


3月11日
 東京地方はまるで北国に春がやって来たかのように、雪柳もこぶしもミモザも
いっせいに咲き始めています。
そして近くの中学校からは卒業式の予行練習でしょうか、歌声が聞こえてきます。
春ですね、旅立ちの春だなあーって感じます。

 さて先週の水曜日(不動産業は水曜日が定休のお店が多いのです)、
一年半ぶりに府中市の中央図書館にふらりと趣味の歴史の本を探しに行きました。
ここの図書館の司書の方々の専門的知識と親切な応対は、
私がお薦めの府中市の何でもランキングのベストワンなのです。
今日はそれはさておいて、まあー何と多くの高齢者の方々がいらしていることと驚きました。
 高齢者とは幾つからなのかはわかりませんが・・・、
まあー大体70才以上を私は高齢者と思う事にしています。
もし自分が70才になったら「75才以上からよ」と言うかも知れませんが・・・。
 書架とは別にゆっくりと本を読めるコーナーがあるのですが、それらのどこもが満席。
そしてそのほとんどが男性なのです。
どうして男性ばかりなの?  自分の家ではゆっくりと読めないの?
女性の高齢者はどこで何をしているの? とたくさんの???がとっさに頭をよぎりました。

 そう言えばバスツアーに行けばその大半は高齢者の女性達、
美術展も音楽会も高齢者の女性達、彼女達は一人ではなくて、数人のグループ連れ。
企業で大勢の仲間達と働いてきた男性が定年後は一人で図書館へ、
一方ひとりで家庭を守ってきた女性達は女同士で誘いあってお出かけ。
 この図式、かなりどこでも見られる光景。
なんだか寂しいなと思います。これじゃあまるで別々の人生を歩いてきたのと同じでしょ。
かくいう私もお出かけは一人か女同士、みんなが言います。
「これが一番気楽よね」と。 
 日本人の大半が高齢化する今後、日本人の過ごし方はどうなるのでしょう?
 東八道路のケヤキの高い梢でしじゅうがらがツピツピと鳴いている春です。


3月4日
 いよいよ本格的な春の到来、暖冬から引き続きの暖かさは「春が来た!」という
感動は薄れますが、それでも春は嬉しい!!
 新聞の各紙は旅行の案内でいっぱいです。
桜咲く京都とか、吉野の桜を愛でる旅とか思わず「行きたい」とわくわくします。

 さて今年の暖冬は旅行会社にとっては悩みの種とか。
満開の時期が予想より大幅に早まりそうなので、予約のキャンセルや問い合わせが多いそうです。
  自然は人間の思うようにはいきません。
おおかたの予想は平均的な指標で決められるのですから、ずれがあってもしょうがないでしょう。
 ずいぶん前ですが、「杏の花咲く甲斐路の旅」というふれこみのツアーに予約したことがありました。
けれどその年も今年のように暖かくて、満開になるはずの時期には杏の花は散ってしまい、
青空に花心のみが目立つ悲惨な光景でした。
 お客さん達は「まあーしょうがないよ」と言って杏の果樹園を後にした時に、
バスの運転手さんが言いました。
 「みなさん、私の独断ですがせっかく甲斐路に来ていただいたのですから、
せめて美しい山並でも見ていただきたいのですが、でももしかしたらお帰りの時間が
少し遅れるかも知れませんがいかがでしょうか?」と。

 大きな拍手と共にバスは豊かな甲斐路の田園風景の中をたっぷりと走りました。
道端に咲くタンポポや、遠くにそびえる山々の残雪に輝く光景が、なんとも美しく心に残りました。
 「花は盛りを、月は隈なきをのみ見るものかや」と言います。
それはそれでまた何ごとも良き事もあると思えば楽しみもありますよね。


2月24日
 どうやら今年の東京地方は本格的な雪が降らないままに、春になりそうな気配がします。
JR国分寺駅前の都立殿ケ谷戸庭園では日だまりの場所とはいえ、
4月頃に咲く馬酔木の花が咲き始めました。
 自然の摂理も時には狂うものです。ましてや人の世はままならぬもの。
そんな人の世の不条理を数ある資格を生かして、バッシ、バッシと突き進む
派遣社員の快進撃を描いたTVドラマ「ハケンの品格」がただ今、人気急上昇とか。
 かくいう私も、いや我が社の女性陣一同もすっかりはまり、
放映日の水曜日午後10時を楽しみしております。
 時に助産士の資格を生かして赤ちゃん誕生に活躍したり、
また時には剣道4段の腕を生かして上司を追い詰めたり、それもこれも職場の危機を救う結果に
なるのですが、この主人公は手柄顔を一切見せずにこう申すのです。「それが何か、、、」と。

 今、日本の職場の大きな部分を派遣社員が担っているそうですが、
派遣社員の仕事面での待遇はそれに見合っていない由、けれどこれは派遣社員に限らず、
いわゆる宮仕えの人達にとってはみんなが思っている不条理のひとつでしょう。
大企業のサラリーマンも小さな商店のおかみさんも人に使われているのには変わらない。
 さてこの主人公である「大前春子さん」の偉い点は取得した数々の資格を有効に
活用できること、そしてそれにおごらないという冷静な判断力とお見受けしました。
今後の展開でそのクールな姿勢の理由が判明されていくのではと、楽しみにしております。
 「大前春子さんならさあてどうする? 」
問題発生時に交わす、これが我が社の目下の合い言葉となっております。

 東京には春二番の強風が吹き荒れて、満開の梅の花がはらはらと舞い落ちています。

2月18日
 ボケの花の蕾がいちだんとふくらんで、ほんわかと暖かい雰囲気が漂ってきます。
バレンタインデーが終わったら、デパートやスーパーの催事場売場は雛あられになりました。
 高価な感じの金や銀色の包装紙のチョコレートから、目にも優しい緑やピンク色のあられや
菱餅への変化は、「春がくるよ〜」とどこかから優しい声が聞こえてくるような気がします。
 ♪ どこかで春がうまれてる〜 ♪ とね。

 草餅や桜餅の淡い色彩の和菓子は春の訪づれを感じさせてくれる、
いかにも日本人の繊細さを感じるお菓子の芸術品だと思います。
桜餅の葉を食べるか否かでよく論争されますが、私はあのほのかに塩味の効いた葉が大好きです。
 有名な長命寺の桜餅は大きな葉を3枚も使っておもちをくるんであります。
あー葉っぱがたっぷりといただけると、私にとっては何よりもうれしいお土産です。
 コーヒーとケーキの美味しいお店は数々あれど、ちょっと街を歩いていて疲れたなー
と言う時に、ほっと一息つける和菓子とお茶の和風喫茶店があるといいのにと思ったりしています。
 
 今年はかなり暖冬のようで、冬らしい厳しい寒さはあまり感じません。
それでも早朝の寒さはかなりこたえます。
青い「おおいぬのふぐり」が道端に咲き、木々の梢で鳥たちが鳴く季節がやってきて、
草色や桜色のほのかに甘い和菓子を食べる、そんな早春のひとときを楽しみに
2月を乗り切りたいと思います。

2月12日
 マンサクの黄色い花が満開です。
ミモザの花も固いつぼみをたわわにつけ始めました。
春は黄色い花が元気に咲く季節、デパートの婦人服売場も春色のブラウスで華やかです。
 でも何と言っても2月上旬に一番華やかな売場はチョコレート売場でしょう。
以前は職場の男性達に送られる義理チョコがかなりの売場面積を占めていたようですが、
昨今は自分自身へのご褒美用がはやっているとか。

 小さな本当に小さなチョコレートひと粒で400円とか500円の最高級品の品が、
美しいトレーに乗せられて、うやうやしくショーケースに並んでいます。
世界中から集められた目にも美しいチョコレートが「素敵でしょう」と
微笑んでいるのですもの。それは魅力的なことこの上ない。
もうダイエットはちょっと横において、ついついと買う女性が多いでしょうね。

 日本と言う国は何だかんだと言っても、まだまだ男が偉いのです。
政治も財界も活躍している女性の数は先進国では最低だと
大学院の「比較文化研究」で学んでがく然とした覚えがありました。
 給料も待遇もどんなにあがいても歴然と差がつく現状で、
それでも毎日頑張って働いている女性達が、自分のために最高級品のチョコを買う。
バレンタインデーは自分のためと思ってもいいじゃない!!!

 常日頃、質素倹約、勤勉実直を旨とする私も?今年はいそいそとチョコレート売場を
のぞきに行こうと思います。もちろん自分のために。
60数年生きてきて初めての贅沢だから、とびっきりの品を求めようと思います。
 それにしても殿方に比べたら、なんと慎ましい贅沢感でしょう・・・。


2月4日
 立春を過ぎれば一進一退をくり返して、日毎に春へと向かっていく季節。
東八道路の街路樹帯には椿が咲き、梅がほころびと散歩する人々の目を楽しませてくれています。
 季節はそんな嬉しい移り変わりの時期ですが、国会は野党の審議無しという異例で進められています。
 そう、柳沢厚生労働大臣のあのひとことで。
人は何をどう思おうがその人の自由です。
けれど、その人の立場では思った事をそのまま言ってしまってはいけないという立場があることを
柳沢大臣は忘れていたようですね。

 日本では古来より確かに女性は子供を産むことが最重要任務だったことは事実です。
そしてそれが女の子より男の子を産む事が何よりも大切だとされていたことも事実です。
その長い伝統が世の多くの女性を苦しめてきたこともまぎれも無い事実なのです。
 柳沢大臣は雅子妃殿下のご苦悩をよもや知らぬわけではないでしょう。
病院の不妊治療科に行ってみて下さい。いかに多くの女性が来院していることか。
 少子化対策大臣になったらまさか戦争中のように産めや増やせやとおっしゃるのでしょうか?
今回の大臣のひとことは日本の古い考え方がいまだ残っていることを如実に表していると
思いました。
そして確実に女性の反感をかったことも明らかでしょう。
「所詮、男は変わって無いのよ」と。

 クリスマスローズの花が少しずつ開き始めてきました。
寒さの中で毅然と、けれどうつむいて咲くこの花はどこか体制や歴史に翻弄されながらも
生き続けてきた女性に似ているような気がします。


1月28日
 梅の花がちらほらと咲き始めました。
咲き始めた初々しい花に顔を近付けると、何とも高貴な香りが鼻をくすぐります。
いにしえ人も同じ香りを嗅いだのかと思うと、古典文学も身じかに感じてくるようです。

 さて今年も1ケ月が早過ぎようとしています。
そしてこの1ケ月間で何と賑々しい事件がつぎつぎと続いたことでしょう。
納豆ダイエットから不二屋の日付け切れ、そして鳥ウイルス、内閣の不信感も増大と
良いことが無かったかのようです。

 そんなニュースの中で私は宮崎県知事選挙で「そのまんま東」さんが当選したという
知らせに興味を持ちました。
宮崎県は他の九州の県と同様に保守王国と言われている土地柄。
ましてやほかの職業と比較してお笑いの世界の人は軽く見られがちとも聞いています。
 そのような情勢の中で政党のしがらみを断ち、マニフエストを掲げて当選した事は快挙
といえるのでは。
そのマニフエストを共に検討して闘ったのが、彼を支える学生やボランティアだったというのも、
いかにも九州らしからぬことでは、、、。
 彼は芸能人だから当選したのではなくて、彼の姿勢が人々に共感を生んだのではと思うのです。
 オール野党にも等しい県会議会で、今後の彼はさぞや苦労なさることでしょう。
けれど彼に投票した多くの人々の期待を考えると、野党の議員さん達も共に宮崎県のために
協力してほしいなと思います。
 草の根運動は時に大きな力を発揮することを長老の方々はきっと認識なさったことでしょうから。
 入試の時期ですね。受験生のみなさま、体調を整えて頑張って下さいね。


1月21日
 
風花のような雪がはらはらと舞い落ちたと思ったら、もうそれで終わり、
東京の初雪はあっという間の短いひとときでした。
 さて今、世間では納豆ブーム、そしてそれはテレビ局の改ざんだったと納豆の話題で
賑わっております。
 まあーなんとのどかな話しと言ってしまえばそれまでですが。
だって世界中には民族紛争や宗教紛争が未だ絶えないのですから。

 けれど納豆製造業の皆様はつかの間の品不足さわぎで奮闘なさったことでしょう。
大豆の仕入れや仕込みの増産にと駆け回った方たちもいらしたと思うのです。
スーパーでは売り切れのお詫びまでだしたのですから、きっと増産を指示されていたかもしれませんね。
 それが一転して、あれは資料の改ざんでした。と言われて売れ行きが落ちたのなら
つかの間の夢が消えたようなもの。
業者の皆様には何ともお疲れさまとお気の毒な気がします。

 しかし世間の健康ブーム、痩せたい願望の女性がいかに多いかが本当に良く解る事件
だったと思います。
人は少しでも長く、元気にそしてスタイル良く美しく生きていたいのでしょう。
 けれど、ひとたび病気をすればわかるんですよ。
自分の足で歩ければ、自分の口で物が食べられれば、そして目が回らなくてまっすぐに
歩ければなどなど、、、とね。

 足るを知ってそこそこ暮らしていこうよ、そんな気持ちになった一件でした。
お花屋さんの店先には春の花のスイートピーやストックが並び始めました。
房総半島では花摘みの旅行客で賑わっているそうです。
花摘み、いいですね。時間を見つけていきたいなあと思います。


1月13日
 暖冬とはいえ、早朝の冷込みはかなり厳しくなってきました。
それでも木々の芽はしっかりと春に咲く準備をしています。
ボケの木にはびっしりと小さな小さな赤いつぼみがついていますし、
こぶしの木の枝先には固い冬芽がしっかりとついています。

 さて、ここのところ殺伐としたニュースが多く目について、日本の国はとっても
心もとなく感じてくるのですが、そんな中で「そんなことないよ、日本の国って日本人て
こんなに良いところがあるじゃない」と教えてくれる本に出会いました。
 祥伝社黄金文庫 『「道徳」という土なくして「経済」の花は咲かず』 日下公人著
552円という薄い文庫本ですが、そして文章もとても解りやすくて、中学生くらいでも
十分に理解できる書き方ですが、中身は濃いのです。
 日本の国の歴史を古代から遡って、異国の文化をどう取り入れて、
日本固有の文化と融合させてきたか、日本人はいかに道徳的に長年に渡って生きて来たかと
世界の情勢と照らし合わせて述べています。

 著者の日下さんの履歴を読むと、あー知っていると思い出される方もいらっしゃるでしょう。
長銀の取締役などを歴任された経済界の重鎮ですから。
 日本人って、もともとはとても温和な民族でたいしたもんなんだ、
じゃあこれからどうしたらいいのかな? と落ち着いて考えてみようと素直な気持ちになれる本。
 新年にあたって暗いニュースに、そしてニートだ、少子化だとマイナスイメージばかり
報道されている現状に、視点を変えて考えて見ようと言う気力が生まれてくる本です。
 今年のまずは一押しの本です。
 小正月には甘いおしるこでも食べて、風邪をひかないようにしましょうか・・・。

1月8日
 国分寺駅までの裏道を歩いていると、橙の実が黄色く鈴なりに実っている家が多く見られます。
冬枯れの庭に暖かい雰囲気がただよっていいなあーと思う1月です。
 さて年明け早々にパスポートの申請に行きました。
海外旅行でも?
いいえ、いいえ。銀行の本人確認のためにです。
自動車の運転免許も無く、パスポートも無い私は、まさに今の時代には不適応と言うことで、仕方なくです。
 驚きました。なにもかもが。
受付からすさまじい混雑ぶりです。
書類をもらって記入して、写真屋さんでまた並んで。
カラー写真2枚で1900円也。実際にパスポートに2枚必要なのかと思いきや、パスポートには1枚。
それなら写真屋さんはどうして2枚ひと組って決まっているのかしら?
 申請にまた並んで、そして申請書の受理書受けとりに延々と約1時間待って。
人込みと並ぶのに疲れはてて、脳貧血で倒れる寸前にやっと済みました。
 また10日後にパスポートを取りに行くとか。
銀行の本人確認が必要なのは時勢がら解ります。
けれど、日本の国が発行するパスポートか運転免許証のみっていかがなものかと思うのです。 
それらの無い人達はみんな、こんなに並んで2回も行くの?

 いやな渡世よね〜 昔は良かった。 人をことごとく疑わなくてもすんだのですから。
なんて感じた一日でした。


1月1日
 新年おめでとうございます。
関東地方は数日前までの暖かさから、急に北風の吹く寒い日になってきました。
でもこの寒い冷気がピーンと張り詰めた新年にふさわしくも感じられます。

 毎年、新年にはさて今年一年をどう暮らしていこうかと、考えはするのですが数日
後にはまたいつものように雑用に追われた日常へと流れていって、ただ齢を重ねております。
 けれど日本人の平均寿命から見て、そして日々の体力の衰えを感じるにつれ、
もう自分の人生の総括を考える年齢になったのだと気づき、そうただ流されて行く日々で
はいけないなと戒めているところです。

 さて弊社は創業20年をむかえました。
日本の経済界の浮き沈みを末端にいながらも受けてきて、良い時も悪い時も
それなりの経験をしてきました。
 そして私は思ったのです。
どんな仕事も常に相手にとって一番良いと思う事をし、相手の喜びを第一に考える時に
こちらにも良いことや喜びがやってくると。
 小さなことも乗りかかったら最後まで、誠意を持ってあたること。
この一見、当たり前のことですが、いざ実行するとなると、時にはまあーいいかとなりがちです。
 けれどこの「まーいいか」が時には命取りになることをあるのです。
弊社のスタッフ一同が心をひとつにして対処してこそ、まとまる。それが仕事。
そのことを肝に命じて今年は仕事に取組んでいこうと年末にスタッフ一同で決意をした次第です。
 寒風に凛と咲く白い水仙の花のように、まーそうかっこう良くはいかなくても
それを目指してスタッフ一同頑張っていきたいと思っております。

どうぞ今年もよろしくお願い申し上げます。



塩津不動産(株)
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1998.3.25 公開


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